頭痛の予防薬について
頭痛予防・軽減薬について
頭痛の予防薬を紹介します。
β遮断薬(プロプラノロール)・エナラプリル・カンデサルタン
β遮断薬は高血圧や冠動脈疾患、頻脈性不整脈などの合併症をもつ片頭痛の方にお勧めです。エナラプリルやカンデサルタンは降圧薬として広く使用されています。片頭痛と高血圧症が併存する方にはお勧めです。
カルシウム拮抗薬(ミグシス・テラナス)
日本で開発された片頭痛予防薬です。降圧薬の一種ですが、血圧を下げる作用はほとんどありません。8週間内服すると、64%の患者さんで片頭痛発作の頻度や程度の軽減が期待出来るそうです。
抗てんかん薬(デパケン)
神経細胞の興奮を抑制することで、片頭痛の頻度減少を図る薬です。
抗うつ薬(トリプタノール)
抗うつ薬のトリプタノールは、片頭痛に関係の深いセロトニンの代謝を改善することにより片頭痛を予防する薬です。特に緊張型頭痛を合併している片頭痛に高い有効率が示されていますが、眠気や口渇の副作用に気をつけて少量から使う必要があります。
漢方薬(鎮痛薬的にも、予防薬的にも使えます)
呉茱萸湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・・・冷え症があり頭痛時に吐き気もする片頭痛の方に。苦い。
五苓散・・・天候悪化・台風に左右される頭痛に。
葛根湯・葛根加朮附湯・・・肩こりや緊張型頭痛頭痛に。入浴で頭痛が改善する方にお勧め。
当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸・・・更年期年代の女性の慢性頭痛に。
川芎茶調散・・・月経時の頭痛に。
釣藤散・・・血圧が高く慢性頭痛がある方に。
筋弛緩・鎮痛補助薬(テルネリン・ミオナール・ノイロトロピン)
肩こりや緊張型頭痛が慢性化している際に用います。筋弛緩薬は眠気や倦怠感に注意です。
片頭痛の予防注射
2021年5月に、「抗CGRP抗体薬」という薬が発売されました。月に1回の注射で片頭痛の頻度と最大値を減らすことが目的です。一本の費用が約14000円(3割負担)と高額な薬剤ですが、高い効果が期待出来ます。
レイボー(片頭痛時の鎮痛薬)
2022年6月発売の新しい薬です。服薬後約4割の方にめまい感が生じると言われていますが、片頭痛専用鎮痛薬のトリプタンが副作用で使えない方、またはトリプタンで鎮痛が得られない方は試す価値があります。1錠50mgと100mgの二つのタイプがあり、使用する際にはまず50mgから試して頂きます。トリプタンと違い、飲むタイミングは問わない薬です。