【Instagram連動企画】漢方薬の話:合方(ごうほう、がっぽう)について
今回は、インスタグラムより記事をご紹介💁
頭が痛ければロキソニン、めまいがしたらメリスロン。
水溶性の鼻水には小青竜湯、足が攣ったら芍薬甘草湯。
一般処方薬と同様に、漢方薬にも一対一で症状に合わせて使われる「お約束処方」があります。お約束処方は便利ですが、それだけではどうにもならないことも多々あります😅
特定の「病気」に対してではなく、具合の悪い「状態」を総合的に改善に持っていこうと考え漢方薬を組み合わせて使うと良い結果に繋がることがあります。このことを「合方(ごうほう・がっぽう)」と呼びます。
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【症例 40代女性 主訴 頭痛とめまい】
元々頭痛もちで、時々リングルアイビーを飲んでいた。
ここ3週間ほど、頭痛とめまいが続いている。肩こりも酷いため整形外科を受診したが、処方されたエペリゾン(筋弛緩薬)を飲むと気分が悪くなったので中止した。めまいは耳鼻科に相談したところ、病名は特に告げられることなくアデホスと柴苓湯が処方された。2週間以上飲んでいるが全く効果がないとのことで来院。リングルアイビーは毎日のように飲んでいる。
肩こりあり、冷えはなく抑うつ傾向もなし。かみ合わせの悪さの指摘あり。
目の奥が脈打つ頭痛と、後頭部から肩にかけて締められるような頭痛が混ざっている。脈打つ頭痛は吐き気を伴い、動くと悪化する。
めまいは船酔いのような感じで、頭の向きで悪化する。天気の影響はない。現在ストレスと感じることは何もない。
舌は歯根を認める。その他、舌下静脈怒脹はないものの下腹部でお血点圧痛あり。左に胸脇苦満を認め、葛根湯及び治打撲一方の圧痛点あり。
頭痛は緊張型頭痛と片頭痛の混在で、めまいは片頭痛随伴症状及び、緊張型頭痛からの頚性めまいと判断した。
軽いのぼせ感及びお血点圧痛は桂枝茯苓丸証、そして葛根湯圧痛点及び肩こりは葛根湯証と判断し、それぞれ桂枝茯苓丸と葛根加朮附湯を朝夕1包ずつ処方した。
2週間後に再診。
内服開始3日目でめまいは消失し、毎日のように飲んでいたリングルアイビーは2週間で2回の使用にとどまった。
1ヶ月処方継続。次回までに悪化がなければ、まずは葛根加朮附湯を、その後桂枝茯苓丸を廃薬し終診予定とする
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如何でしょうか。
ご参考になれば幸いです😄
※麻黄や甘草など、一部の生薬の重ね合わせには注意する必要があります。
#漢方薬 #葛根加朮附湯 #桂枝茯苓丸 #ひらやま脳神経外科
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