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【Instagram連動企画】2年間続いた頭痛に治打撲一方が著効した一例

今回は、Instagramから記事をご紹介💁

 

【2年間続いた頭痛に治打撲一方が著効した一例】

昔から「古傷が疼く」と表現されるように、過去に負った怪我が原因で体調不良が続くことがあります。今回紹介するのは、頭の大けがの後から2年間毎日のように頭痛が続いていた10代後半の女性です。

頭部打撲により微小循環障害が起き、慢性頭痛に発展したのだと考えて漢方薬を2種類処方したところ、1週間でほぼ全快が得られました😄

【症例 10代女性 慢性頭痛】

(既往歴)

特記事項なし

(問診)

2年前に転倒し頭部を強打。頭蓋骨を骨折するほどの重症を負った。
以降、ほぼ毎日頭痛が続いている。

エネルギー不足か声が小さく聞き取りづらい。頭痛の時は動いていた方が楽と言うが、冷やして横になると気持ちいいとも言う。入浴で特に楽になることはないと。年齢からして片頭痛の可能性は考えるが、表現にブレが多く掴みにくい。定型に当てはめて理解しにくい頭痛。

頭部画像評価は近医で受けて問題なしとのこと。

(漢方所見)

舌尖発赤なし
挺舌不良・振戦なし
歯痕あり
舌裏静脈怒脹なし
心下痞硬あり
胸脇苦満右にありあり
臍上悸・臍傍悸なし
葛根湯圧痛なし
治打撲一方圧痛ありあり
お血点圧痛左に軽度

臥位BP 99/67 P75
坐位BP 99/60 P81
立位BP 94/61 P85

起立性調節障害の要素はなさそう。治打撲一方+五苓散で治療開始。その後に片頭痛要素が見えてきたら、トリプタン検討かな。念のため採血。結果は次回結果説明。

~1ヶ月後~

内服1週間で腹痛を感じたため中止(治打撲一方に含まれる大黄の影響か)したが、その後頭痛は出ていない。

2年間毎日あった頭痛が出ていない、とのこと。

恐らく、治打撲一方が奏功したと思われる。

採血結果は鉄・タンパク質・コレステロール不足。コレステロール不足はストレス耐性低下、ホルモンバランス不良につながりうると説明し、対応について指導。

今後は有事受診で。良かったですね。

(引用終了)

ーーーーー

西洋医学で微小循環障害と表現される病態を、東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼びます。簡単に言うと、「血の巡りが悪い状態」のことです。

今回使用した漢方薬は、五苓散と治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)でした。

五苓散は水滞(水の巡りが悪い状態)に対する代表的な漢方薬で、歯痕(舌の横に付く歯の圧痕)がある場合に効果的です。天候左右性の頭痛やめまい、下痢、二日酔いなどに使っていますが、当院で最も処方される漢方薬の一つです。

治打撲一方は、駆瘀血剤(血の巡りをよくする薬)の一種です。一般的には打撲後の腫れや浮腫みに使われ、臍の右横を押されると強く痛みを感じる場合に効きやすいとされます。

治打撲一方で瘀血が解除され、水滞が五苓散で解除された結果、慢性頭痛が消失したと考えました。どちらか片方だけでは、このようには改善しなかったでしょう。

「怪我をしてから、どうも調子が悪い」という方は、ぜひ臍の指1~2本右横を押してみて下さい。
痛みを感じるなら、治打撲一方が効くかもしれません✨

#ひらやま脳神経外科 #治打撲一方 #漢方薬 #慢性頭痛

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