【小児の頭部外傷について】
皆様こんにちは☀
今回は、【小児の頭部外傷について】
そこで、頭部外傷時のCT適応基準についてご紹介したいと思います💁♂️
米国、カナダ、イギリスからそれぞれPECARN rule、CATCH rule、CHALICE ruleというCT適応基準があります。
今回は、米国のPECARN ruleをご紹介🇺🇸
●2歳未満時の場合
①意識レベルがGCS(Glasgow coma scale)14
②意識状態の変容
③頭蓋骨骨折が触知される
→→→①~③の1つでもあれば、頭部CTを推奨
↓
↓ ①~③すべてなし
↓
④後頭部・頭頂部・側頭部に皮下血腫がある。
⑤5秒以上の意識消失
⑥重篤な受傷機転
⑦親からみて普段と違う
→→→④~⑦の1つでもあれば、 以下の条件で経過観察もしくは頭部CT考慮する。
・担当医の裁量
・複数の所見か単一か
・症状が悪化
・生後3か月未満
・親の希望
↓
↓④~⑦すべてなし
↓
頭部CTを推奨しない
●2歳以上児の場合
①意識レベルがGCS(Glasgow coma scale)14
②意識状態の変容
③頭蓋底骨折の徴候
→→→①~③の1つでもあれば、頭部CTを推奨
↓
↓①~③のすべてなし
↓
④意識消失
⑤嘔吐
⑥重篤な受傷機転
⑦激しい頭痛
→→→④~⑦の1つでもあれば、 以下の条件で経過観察もしくは頭部CT考慮する。
・担当医の裁量
・複数の所見か単一か
・症状が悪化
・生後3か月未満
・親の希望
↓
↓④~⑦すべてなし
↓
頭部CTを推奨しない
上記のように、まず患児を年齢で分けています。
そして①~③や④~⑦の項目に分けてその条件を満たすか満たさないかでCTを撮るかどうかの判断材料となります。
しかし、PECARN ruleを適用する際には、除外条件があることも知っておく必要があります。
受傷機転が転倒のみもしくは静止している物体にぶつかったなどのごく軽症の頭部外傷は除外されています。つまり、通常の外来で多数を占める、軽症頭部外傷はこの基準では適応外になります。
当院にはよく、頭をぶつけたが受診した方がいいか?CTなど撮った方がいいのか?などのお問い合わせをいただきますが、軽症頭部外傷ということになってしまいますね💦
ただ、軽症頭部外傷でも意識消失や嘔吐、激しい頭痛や親からみて普段と違うなどの場合は、受診をお勧めします。
次回は、CATCH rule、CHALICE ruleをご紹介します。
参考文献:臨床放射線
こちらの記事もご参考に💁♂️