硬膜下血腫と頭部打撲時の注意点について【画像診断シリーズ 2】
当院は、脳神経外科ということもあり頭部打撲後、症状が続いたり、心配になって来院される患者さんも多いです。
特に、小さなお子さんをお持ちの方は
『頭打ったけど大丈夫かしら❓』と心配になって
来院されます。そこで、
今回は、
《慢性硬膜下血腫と頭部打撲時の注意点》について
紹介したいと思います。
また、頭をぶつけた後CTなどの画像検査をした方が
いいのか?ポイントを説明したいと思います。
慢性硬膜下血腫(CSDH:Chronic Subdural Hematoma)とは、
脳を覆っている硬膜と脳の隙間に血(血腫)が貯まる病気で、
血腫が脳を圧排して様々な症状がみられます。
原因としては、頭部打撲や本人が外傷と自覚しないほどに軽微
なものでも発症します。
慢性硬膜下血腫は通常、高齢で男性に多くみられ、
アルコール常飲者にも多いです。
一般的には軽微な頭部外傷後の慢性期(約1-2ヶ月)に頭痛、
片麻痺(歩行障害)、精神症状(認知症)などで発症します。
当院においても頭部打撲の患者さんがよく来院されます。
頭をぶつけた時に皆さんが心配されるのは
『脳に異常が起きていないか?』
ということだと思います。
”急に起きる可能性のある異常”
◉急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、脳挫傷◉
これらは命に関わりうるものですので、早急な対応が必要です。
急性硬膜下血腫については、以下の院長ブログもご参考下さい。
https://www.ninchi-shou.com/entry/ASDH-urokinase-therapy
”ゆっくり起きてくる可能性のある”
◉慢性硬膜下血腫◉
上記に説明したように、頭部打撲後しばらくしてから
ゆっくりと脳の外側に血液成分が貯まってきます。
脳が萎縮して隙間が増えてくる高齢者に多いです。
慢性硬膜下血腫のCT画像が以下です。
<慢性硬膜下血腫> <正常>
両側に脳の外に三日月状にうっすら白くみえるのが血腫です。
右側の正常時と比較するとわかりやすいと思います。
頭をぶつけた場合、
「すぐに検査をした方がいいの?」
という質問を受けますが、
- ぶつけた直後に、しばらく反応がなかった。もしくは反応が鈍かった。
- ぶつけた直後は特にどうもなかったが、しばらくして吐き気が出てきた。
このような場合には、頭のCTを撮ってみることをお勧めします。
また、頭をぶつけてしばらく経ってから
- 身体半分の動き(右や左の手足)が鈍い、フラフラする。
- 徐々に強まってくる頭痛。
このような症状が出てきた場合にも、頭のCTを撮ってみることをお勧めします。
(ひらやま脳神経外科 院長作成の「頭部打撲の注意点より」引用)
≪次回予告≫
当院のレントゲン、CT、エコー室(兼用)を紹介したいと思います(^^)
めまいについてはこちらのブログも参考にしてみて下さい
https://hirayama-ns.jp/blog/post_49
頭痛・肩こりでお悩みの方は一度試してみては
https://hirayama-ns.jp/blog/post_73