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カラードプラとパワードプラ(後編)【画像診断シリーズ13】

皆様こんにちはsun

今回の画像診断シリーズは、【画像診断シリーズ9】の続きで

「カラードプラとパワードプラ(後編)」ですflair

ちなみに前回の内容は、

【ドプラ法】や【ドプラ効果】、【ドプラの公式】、

【血流表示する際に配慮すべき設定事項】について載せました。

カラードプラとパワードプラ(前編)

カラードプラとパワードプラ (前編)【画像診断シリーズ9】

【血流表示する際に配慮すべき設定事項】については、

Bモード表示する際の設定事項を述べましたが、

Bモード画像に血流情報をきちんと載せて表示するためには、

①流速スケール

②カラードプラゲイン

③カラー表示範囲

④フィルター

⑤ドプラ周波数

の調整が大切であり、③カラー表示範囲の調整は特に大切ですshine

これらのパラメータを調整することでより詳細な血流情報を得ることができますhappy01

 

それぞれについて説明する。

①流速スケールの調整

対象とする血管の血流速度に応じた流速スケールを設定しないと良好なカラー表示は

得られない。プローブに近づく血流は赤に、遠ざかる血流は青に表示される。流速スケール

の値は、一般に画面左端のカラーバー上端、下端に表示されている。流速スケールが対象

とする血管の流速よりも高すぎるとカラー表示は得にくくなり、逆に低すぎると折り返し

現象(aliasing)が生じるため血流はモザイク様となり、血流の方向性が分からなくなって

しまう。折り返し現象とは、流速スケールより早い血流のカラー表示が反転してしまい、

あたかも逆向きの血流のように表示されてしまう現象をいう。腹部領域の観察における

流速スケールは15-30cm/secである。

 

②カラードプラゲインの調整

カラードプラゲインとは血流信号の強さを決めるものであり、これが低すぎると

十分な血流表示が得られない。カラードプラゲインを最大にしてから徐々にカラー

ドプラゲインを落とし、血管外に発生するランダムノイズが消失した時点をその

画面の最良カラードプラゲインとして調整するとよい。その際、血流信号の血管外

へのはみ出し(ブルーミング)は多少許容する。

(日超検 腹部超音波テキスト第2版より引用)

 

③カラー表示範囲

カラー表示範囲の大きさによって、フレームレート(秒間に表示される枚数)は変化する。

カラー表示範囲が広いとフレームレートは低下し、リアルタイム性が損なわれてしまう。

カラー表示範囲は必要最小限の大きさにとどめる。

 

④フィルタの調整

心拍数やプローブの動きなどの情報(信号)をカットする機構としてフィルター

(ウォールフィルター )がある。フィルターを高く設定すると、ノイズはカットされる

反面、低流速の血流もカットされてしまう。心拍数の影響の少ない腹部領域の観察では

フィルターを低くした方がよい。

 

⑤ドプラ周波数の調整

深部の観察では、ドプラ周波数を低く設定するとカラー表示が多少改善する。

 

画像診断シリーズで最も多く読まれているのはコチラ💁‍♂️

硬膜下血腫と頭部打撲時の注意点について【画像診断シリーズ 2】

【参考書籍】

超音波医学雑誌 2017年 第44巻 3号

日超検 腹部超音波検査テキスト 第2版

 

放射線技師 武宮